和牛として認められる品種の中で、最も希少な牛である「無角和種」

山口県阿武町一帯のみで肥育されており、毛色が濃い黒色で角がないのが特徴です。

昭和30年には9,790頭の無角和種が肥育されていましたが、現在は約200頭まで激減しています。

ふみ
ふみ

なぜかつて人気だった無角和種は、衰退してしまったのでしょうか。

この記事では、精肉店で働くわたしが、和牛の中で最も希少な無角和牛の特徴や歴史について詳しく解説します。通販で買う方法を紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

無角和種とは

参考:無角和種のルーツ

無角和種とは日本を代表する和牛の品種の一つ。山口県で古くから役用牛として肥育されていた在来和牛に、イギリスを原産地とする肉専用種の代表的品種「アバディーン・アンガス種」を掛け合わせて誕生したのが、無角和種です。

和牛とは以下の4品種と4品種の中での交雑種のみを指します。

  • 黒毛和牛
  • 褐毛和種
  • 日本短角種
  • 無角和種

日本では大正9年(1920年)から和牛の登録事業が始まり、現在も厳しい基準のもと管理されています。

国内の和牛の飼育頭数は約170万頭にものぼり、4品種別の飼育頭数は以下のとおりです。

黒毛和種約165万頭
褐毛和種約2万頭
日本短角種約8,000頭
無角和種約200頭
参考:肉用牛の改良増殖をめぐる情勢 – 農林水産省

黒毛和種が約165万頭と約90%を占めています。褐毛和種が約2万と続いて、日本短角種が約8,000頭。無角和種は約200頭と、和牛の中で最も希少な牛となります。

無角和種は現在山口県阿武町のみで肥育されており、阿武町では今でも、繁殖から肥育までの一貫生産が行われています。

参考:無角和種のルーツ

無角和種の特徴

参考:無角和種のルーツ

無角和種は、早熟で霜降りが入らない赤身肉が特徴です。牧草を与えて、22ヶ月という短い期間でも十分太らせることができるため、増体能力に優れています。

ふみ
ふみ

黒毛和牛の平均出荷月齢が28ヶ月前後といわれているため、育つのが早いです。

無角和種の肉質はきめが粗く、霜降りが入らない赤身肉です。霜降りこそ入りませんが、噛むほどに溢れる赤身の旨みとコクが感じられます。脂が少なく低カロリーな肉は、胃もたれなく食べられます。

希少な品種であるため、生産量が少なく市場にあまり出回らないことも、無角和種の特徴です。

無角和種の歴史

参考:無角和種のルーツ

無角和種の歴史は、大正時代まで遡ります。大正9年(1920年)に山口県阿武町一帯で肥育されていた在来和牛に、イギリスから輸入したアバディーン・アンガス種をかけ合わせた牛が無角和種のルーツです。

改良を重ねて、成果を発表する畜産共進会に参加した無角和種の多くが入賞を果たし、その名が知られるようになっていきます。

山口県内で「無角牛」として登録されていた品種は、昭和19年(1944年)に和牛の1品種として「無角和牛」と正式に認められるようになりました。

肉用牛らしい体型が評価され、一時は黒毛和牛より高値で取引された無角和種ですが、今では衰退の一途を辿っています。

肉市場においては、脂肪交雑(サシ)の多さや肉のきめ細やかさが評価されます。高値がつくという理由から、霜降りが入りやすい黒毛和牛の肥育に乗り換える農家が増えてしまったのです。

また牛肉の輸入自由化により、外国産の安価な肉が日本に入ってきたことも影響したといわれています。

ふみ
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昭和30年には9,790頭もの無角和種が肥育されていたという記録がありますが、現在の頭数は約200頭まで激減。

ごくわずかに残った無角和種を復活させるため、山口県では繁殖センターを設立し、繁殖・肥育を行っています。

参考:無角和種のルーツ

無角和種の味わい

参考:無角和種のルーツ

サシが少なく水分が多い赤身肉である無角和種は、肉本来の魅力を楽しめます。程よい噛みごたえで、口の中に広がる赤身の旨みと上品な風味が特徴です。

噛めば噛むほど、味わいがジューシーな肉汁と豊かなコクが堪能できます。無角和種を豪快に味わえるステーキや、しっとりとした食感を感じられるローストビーフなど、さまざまな調理法で楽しめるでしょう。

しかし希少な品種であるため、簡単には手に入らない和牛です。機会があれば、赤身を自慢とする唯一無二の肉質を味わってみてください。

無角和種を通販で購入できるのはJAタウン

無角和種を通販で購入できないのかと考え調べてみたところ、JAタウンで購入できることがわかりました。

予約限定販売を行っており、令和5年3月22日現在では、以下の商品を販売しています。

「無角和牛」 ミニステーキ&焼肉セット 約540g10セット限定
「無角和牛」 焼肉セット 約900g15セット限定

濃厚な赤身の旨みと肉本来の風味を味わいたい人は、ぜひ一度頼んでみてください!

実際にJAタウンで購入したレビューは以下の記事で書いています。

【年間出荷頭数36頭】 噛めば噛むほど味わい深い無角和牛の赤身焼肉を徹底レビュー

無角和種で肉本来の魅力を存分に味わおう

参考:無角和種のルーツ

無角和種は、在来和牛とイギリスから輸入したアバディーン・アンガス種を掛け合わせて誕生した和牛です。現在では山口県の阿武町一帯で約200頭しか肥育されておらず、4品種の中で最も希少な品種となっています。

無角和種は黒毛和種のような霜降り肉とは違い、赤身を自慢とする和牛です。旨味成分であるアミノ酸が豊富で、噛めば噛むほど口の中に濃厚な旨みと豊かな風味が広がります。健康や美容を意識している人や肉の脂が苦手な人におすすめな和牛です。

通販でお取り寄せしたいなら、JAタウンで購入できます。肥育頭数が少なく希少な無角和種を、ぜひこの機会に味わってみてください!

以下の記事では、実際にわたしが購入したブランド和牛を紹介しています。
→ブランド和牛レビュー

和牛の購入を考えている方は、ぜひ一度のぞいてみてください!

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