精肉店やスーパーで並んでいる牛肉を見ているときに

「聞いたことがない牛肉が売っているけど、おいしいのかな…」

「おいしくなかったら嫌だからやめておこう…」

っと、結局買わなかったことってありませんか?

実はその牛肉がなかなか店頭に並ばない希少部位で、おいしい牛肉を食べるチャンスを逃している可能性があります。

わたしは肉を切る仕事を6年以上していて、現在働く精肉店では、贈答用を中心に和牛を切っています。

働いている精肉店に来店されるお客様から

お客様
お客様

ミスジってなに?

お客様
お客様

イチオシの牛肉の部位を教えて!

と、肉の部位に関する質問を受けては、部位の特徴やオススメの調理法を提案しています。

ふみ
ふみ

日頃から肉の部位を説明している経験をもとに…

本記事では、農林水産省が定めている「食肉小売品質基準」に合わせた基本的な11種類の牛肉の部位と、希少部位やホルモンまで徹底解説します!

この記事を読めば牛肉の部位に詳しくなるだけでなく、部位に合わせた最適な調理ができるようになりますよ!

基本的な牛肉の部位一覧

Beef-part

農林水産省が定めている基本的な11種類の部位は以下のとおりです。

  • ネック
  • カタ
  • 肩ロース(クラシタ)
  • リブロース
  • サーロイン
  • ヒレ
  • バラ
  • モモ(ウチモモ、シンタマ)
  • 外モモ
  • ランプ
  • スネ

部位別の説明とオススメの調理法、贈答用と家庭用のどちらに向いているのかも解説します。

買い物する際や、肉の贈り物を考えている人はぜひ参考にしてください!

ネック

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【ネックの特徴】
赤身が多く脂肪分が少ない
肉質は硬めで、味が濃厚で旨味が強い
ひき肉や煮込み料理に最適。

わたしがネックを商品化するときは、切り落としにすることが多いです。肉質が硬めなので、薄く細かく切らないと噛み切れないことがあります。

味が濃厚で旨味が強く、小間切れや切り落としの中に大きい1枚肉が入っている場合は、すき焼きとして食べるのもオススメです

オススメ調理法・煮込み料理
・シチュー
・スープ
・すき焼き
贈答用△(肉が硬くて見栄えもよくないので贈答用には向いていない。小間切れで贈るなら○)
家庭用◎(小間切れに混ざっていることが多いので、使い勝手抜群。煮込み料理で柔らかくして食べるのがオススメ)

カタ

【カタの特徴】
赤身が多く、肉質はやや硬め
エキス分やコラーゲンが豊富で味は濃厚
希少部位であるミスジは霜降りがあり、柔らかい

カタは赤身のすき焼き用で1番オススメしたい部位。牛がよく動かす部分なので旨味が非常に強く、ロースに比べて低価格です。

脂が苦手な人にも、オススメしたい部位になります

ミスジと呼ばれる希少部位は「霜降り」「柔らかさ」ともに赤身だと思えないくらい素晴らしいです。(後に詳しく解説します)

オススメ調理法・煮込み料理
・シチュー
・スープ
・すき焼き
贈答用○(赤身のすき焼き用を贈るときにオススメ。脂が少なく、高齢者でも食べやすい部位)
家庭用◎(価格が安くて、旨味が強くどんな料理にも使えます。)

肩ロース

【肩ロースの特徴
牛の中で最も大きい部位の一つで、肩から背中にかけてあるロースの始まりの部分
脂肪が程よく分散していて、ロース特有の牛肉らしい旨味がある
赤身と脂肪のバランスがよくコクと濃厚な味わいが特徴
薄切りにするとさらに旨味が引き立つ

牛肉の中で最も大きい部位の一つである肩ロースは、これぞ牛肉!と言いたくなるような迫力があります!脂肪と赤身のバランスが良く濃厚な味わいは、すき焼きで食べるのが1番オススメ!

すき焼きの割り下に負けない濃厚な味と、ふわっとした柔らかい食感が口の中に広がり、たまらない味わい。ロースの中で1番食べやすくて価格も安いので、コスパもいいです。

オススメ調理法
・しゃぶしゃぶ
焼肉
・すき焼き
贈答用◎(牛肉らしい味わいを楽しんでもらうなら肩ロース一択。すき焼きがオススメ)
家庭用○(ロースの中で1番安いので買いやすい。すき焼きするなら選んでほしい部位)

リブロース

リブロースの特徴
ロースの中で最もキメが細かく霜降りになりやすい部位
肉質は非常に柔らかく、風味がある
脂肪が多く、脂の甘みや旨みが強い
サーロインに並ぶ高級部位

ロースの中で最もキメが細かく霜降りになりやすいリブロースは、見栄えが良いので贈り物で頼まれる方が多いです。

ふみ
ふみ

キメが細かいというのは「加熱しても柔らかい」という意味です。キメが細かいほど肉質が柔らかく高品質な肉といわれます。

ジューシーな肉汁と脂の甘みが口いっぱいに広がる、霜降り肉が好きという人にはたまらない部位

リブロースの上部に当たる「リブマキ」と言われる部分は、特上ロースとして出している焼肉店もあります。

個人的には、1枚を大きく切った薄切りで、豪快にすき焼きとして食べるのがオススメです!

オススメ調理法・ステーキ
・しゃぶしゃぶ
・焼肉
・すき焼き
贈答用◎(見栄えが非常に良い。脂が多いため薄切りで贈るのがオススメ)
家庭用△(単価が高くなる。特別な日や贅沢なディナーに食べるなら◎)

サーロイン

サーロインの特徴
キメが細かく、脂の上質な旨味が詰まった最高部位の一つ
柔らかくてジューシーな味わいが特徴
口の中でとろけるような食感が魅力
厚切りにして食べると肉汁が逃げない

牛肉の王道と呼ばれているサーロインは牛肉の中で最高部位の一つです。

ヒレについで柔らかいといわれている、肉質とジューシーな霜降りが特徴。綺麗な霜降りで見栄えが良いため、贈答用や贈り物で頼まれる方がほとんど。

厚切りのステーキにして食べると肉汁が逃げずに、サーロインの旨味を余すことなく堪能することができます。

オススメ調理法・ステーキ
・しゃぶしゃぶ
・焼肉
・すき焼き
贈答用◎(見栄え、味わいともに最高の部位。ステーキがオススメ)
家庭用△(単価が高くなる。特別な日や贅沢なディナーに食べるなら◎)

ヒレ

ヒレの特徴
サーロインの下側にある部位で牛肉の中で最も柔らかい
牛一頭からわずかしか取れない希少部位であり、最高級部位
脂肪や筋がほとんどないため、老若男女関係なく食べやすい
厚切りのステーキで食べるのが一番

牛肉の中で最も柔らかいとされている「ヒレ」。300キロほどある牛から、2キロ〜3キロほどしか取れない希少部位であり、最高部位です。

中でも、「シャトーブリアン」と言われるヒレの真ん中に当たる部分の柔らかさは別格厚切りのステーキで食べても硬さを一切感じず、口の中でほろっと肉が崩れてしまいます

脂がほとんどなく食べやすいので、老若男女関係なくオススメしたい部位です!

オススメ調理法・ステーキ
・ローストビーフ
・牛カツ
贈答用◎(ステーキを贈るならヒレが1番オススメです。特に高齢者は喜ばれます)
家庭用△(希少なだけあって牛肉の中でも1番高い。でも、人生で1度は食べてほしい部位)

バラ

バラの特徴
前方の「前バラ」と後方の「ともばら」に分けられる
カタに使いほど肉質は硬めで赤身が多め
赤身と脂肪が層になっており、濃厚な味わいが魅力
希少部位「三角バラ」の柔らかさと霜降りは牛の中でもトップクラス

バラはの前方にある「前バラ」は赤身が多く、きめが粗いため肉質は硬め、後方にある「ともばら」は、焼肉店でよく見かける「カルビ」の部分に当たります。

脂がたっぷり乗っていて、肉質は柔らかいのが特徴。バラの中でも「特上カルビ」と言われる三角バラの柔らかさと霜降りは牛肉の中でトップクラスです。

焼肉用の贈り物にすると、見栄えが良く高級感がでます。

赤身が多い前バラは「すき焼き」などの薄切りで、柔らかい「ともばら」は焼肉用として食べるのがオススメです。

オススメ調理法・すき焼き
・焼肉
・牛丼
・煮込み料理
贈答用○(脂身の好きな人なら喜ばれる。見栄え重視で贈るなら三角バラがオススメ!)
家庭用◎(幅広く使えるため、家庭用で人気の部位。薄切りを買って牛丼で食べるのがオススメ)

モモ

モモの特徴
後ろ足の付け根付近にあるよく動かす部分
肉質は硬めで脂肪が少ない赤身
きめがやや粗いが肉質が均一のかたまりが取れる
ローストビーフに1番適している部位

モモの中でも内モモは薄切りとして、シンタマは焼肉用として出すことが多いです。脂が少なく、食べやすい内モモは霜降りが苦手な方にはぴったり!

すっきりしている後味でくどさを感じないので、さっぱり食べることができます。

部位の中にも硬いところと柔らかいところがありますが、内モモは肉質が均一のかたまりがとれるため、ローストビーフに1番適している部位です。

シンタマの中にある「トモサンカク」「シンシン」と呼ばれる希少部位は、霜降りが入っていて柔らかく、焼肉用やステーキに向いています。

赤身の中でも、どんな料理にも幅広く使える万能な部位です

オススメ調理法・すき焼き
・しゃぶしゃぶ
・焼肉
・ステーキ
・ローストビーフ
贈答用○(硬さを感じないようにすき焼きがオススメ。赤身を贈答用に考えるなら内モモ)
家庭用◎(どんな料理にも使える。価格も安くて買いやすい)

外モモ

外モモの特徴
筋肉質な肉質なので赤身の中で1番硬い部位
・よく動かすため、味が濃厚
・薄切りや角切りなどの煮込み料理によく使われる

赤身の中で1番硬い部位が外モモ。牛は四足歩行なので、歩くときによく動かす前足と後ろ足は筋肉質になり、肉質が固くなってしまいます。

しかし、よく動かすからこそ旨味が出て味が濃厚。すき焼き用や角切りなど煮込み料理に適しています。

わたしが外モモを切るときは、薄切りにすることが多いですが、お店によっては、外モモで焼肉を切ったりしているところもあるので注意が必要です。

霜降りが全くない真っ赤な赤身は、外モモの可能性が高いので、買うときには避けた方がいいでしょう

オススメ調理法・煮込み料理
・シチュー
・スープ
・すき焼き
贈答用○(すき焼きで贈るのがオススメ!焼肉の贈答用は避ける。)
家庭用◎(赤身の中で1番安い。角切りならさらに安く手に入るので、煮込み料理をする時にオススメ)

ランプ

ランプの特徴
サーロインから繋がるモモの中で特に柔らかい部位
柔らかい肉質と旨みが魅力
程よく霜降りが入っていて、上品な味わい
ステーキで食べられることが多い

モモの中で特に柔らかいと言われているランプ。ランプに含まれるイチボという部位は、「牛の大トロ」とまで言われるほどの霜降りと旨味を併せ持つ部位です。

程よく入った甘味のある霜降りでありながら、後を引かないさっぱりとした味わいが魅力

肉質が柔らかいので、ステーキや焼肉の厚切りで食べるのがオススメです!

オススメ調理法・ステーキ
・焼肉
・ローストビーフ
贈答用◎(赤身の中でヒレに次いで柔らかい。ヒレが高いと感じる人はランプのステーキがオススメ)
家庭用○(安くて柔らかいステーキを食べたいならランプ。赤身が好きなら1度は食べてほしい)

スネ

スネの特徴
運動量が多いため、脂肪がほとんどなくスジが多い部位
ゼラチン質を多く含み、肉の味が濃厚なので出汁をとるのに最適
じっくり煮込むとコラーゲンが溶け出して柔らかくなる

スネは硬すぎて食べれないほどスジが入っているので、そのまま焼いて食べることはできません。

じっくり煮込むと、スネに入り込んだスジが柔らかくなり旨味になるため、味が濃くホロホロの肉になります

煮込み料理やビーフシチューにオススメの部位です。

オススメ調理法・煮込み料理
・カレー
・シチュー
贈答用×(贈答用には向いていません。)
家庭用◎(煮込み料理にぜひ使ってほしい部位。ホロホロになるまで煮込んだスネは絶品です)

精肉店で働く人がオススメする牛肉の希少部位

ここでは、精肉店で働くわたしイチオシの希少部位を紹介します。

イチオシの希少部位は以下のとおり。

  • トモサンカク
  • ミスジ
  • カイノミ
  • イチボ
  • シンシン
  • 三角バラ
ふみ
ふみ

スーパーや精肉店、焼肉屋で見かけたときは一度選んでみてください!

トモサンカク(ヒウチ)

トモサンカク(ヒウチ)の特徴
シンタマの中にある希少部位の一つ
赤身のモモの中で最も霜降りが多い
程よい噛みごたえで脂の甘みを堪能できる
焼肉の贈答用にオススメしたい部位

モモの中でも少し説明したトモサンカクは、赤身とは思えないほどしっかりとしたサシが入っています。硬さを全く感じない程よい噛みごたえは、ロースだと勘違いしてしまうほどの柔らかさ。

脂の甘みと肉の旨味のバランスが抜群に良いので、焼肉に向いている肉質の持ち主。モモの中でもわたしイチオシの部位です。

オススメ調理法・焼肉
・ステーキ
贈答用◎(モモの焼肉を贈るならトモサンカクがオススメ。見栄えの良さが魅力)
家庭用○(希少部位のため若干高め。少量でいいから焼肉するなら絶対食べてほしい。)

ミスジ

ミスジの特徴
肩から腕にかけて1番の霜降りを誇る部位
肩の内側のあまり動かしていない部分なので非常に柔らかい
赤身と霜降りのバランスが良く、旨みと甘みが濃厚
脂の優しい味わいが魅力

お客様から「柔らかい赤身の焼肉用がいい」と注文を受けたときに、1番最初のオススメするのがミスジ。

サシが多い見た目に反して味わいはさっぱりとしており、赤身のコクや風味を感じられる部位です。肉質は非常に柔らかく、赤身でもとろけるような食感が楽しめます。

和牛やブランド牛のミスジは白っぽいですが、外国産画像のようには赤いです。

ステーキとして販売されていることが多いですが、厚すぎると硬くて噛切れないので、外国産を買うときは薄いものを選ぶといいでしょう。

オススメ調理法・焼肉
・ステーキ
・しゃぶしゃぶ
贈答用◎(価格を抑えて、見栄えの良い部位を贈りたい時にオススメ。わたしのお店では注文の85%は焼肉用)
家庭用◎(焼肉するならぜひ食べてほしい。肉質が非常に柔らかいので、高齢者でも美味しく食べれる)

カイノミ

カイノミの特徴
・バラ肉の内側で、ヒレと隣接している部位
・肉質は柔らかく、サシも適度に入る
・バラ肉の中では最も上品な肉質の部位

バラ肉のキツイ脂のイメージとは裏腹に、脂の濃厚な甘みがありながら、くどくない味わいもつのが「カイノミ」

ヒレと隣接しているカイノミは柔らかい肉質の赤身で、霜降りは多すぎず、少なすぎない味わいが魅力。

バラの良さと赤身の良さを兼ね備えたような部位です。厚切りの焼肉で豪快に食べるのが、カイノミの良さを最も堪能できます。

オススメ調理法・焼肉
・ステーキ
贈答用◎(適度にサシが入っているので、見栄えも良い。単品じゃなく、赤身とセットで頼むのがオススメ!)
家庭用◎(バラの中でも食べやすく肉質が柔らかいので、焼肉をするならぜひ準備してほしい。)

イチボ

イチボの特徴
牛のお尻の骨(臀骨)周辺の肉
・サシも入るがややきめが粗い
・程よく脂肪が入った肉々しい赤身

濃厚な風味と赤身のコクで深みのある味わいを堪能できるのが「イチボ」

赤身らしい肉々しさの中に美しいサシもしっかりと入っています。外モモとつながっている以下の部分は旨みが特に濃厚。

焼肉やステーキにして、肉の旨みを存分に味わうのがオススメです。

オススメ調理法・焼肉
・ステーキ
贈答用◎(美しいサシで見栄えは抜群に良い。ステーキがオススメ!)
家庭用○(希少部位のため若干高め。ロースよりは断然買いやすい)

シンシン

シンシンの特徴
シンタマといわれる部位の中心に位置する部位
・赤身でも肉質は非常に柔らかい
・肉刺しやユッケに最適とされている

肉質は非常に柔らかく赤身の風味を強く感じられるシンシン。上質な赤身の風味と、程よいコクと肉の旨みがじわりと感じる味わいです。

わたしはステーキとして提供することが多いですが、肉刺しやユッケが最適とされています。

生肉提供の認可を得ているお店で食べれる機会があったら、ぜひ一度試してみてください。家庭用なら、贅沢なローストビーフを作るときにもオススメです!

オススメ調理法・焼肉
・ステーキ
・ローストビーフ
・ユッケ
贈答用◎(ステーキや焼肉で贈るのがオススメ!ブロックであげるのも◎)
家庭用○(希少部位のため若干高め。精肉店で頼むならブロックで頼んで贅沢なローストビーフに最適)

三角バラ

三角バラの特徴
・特上カルビにも使われるバラ肉の最高峰
・はっきりとしたサシが入る柔らかな肉質
・見た目も味わいもゴージャスな高級部位

三角バラは、美しいサシが全体にしっかり行き渡ってるのが特徴。「バラ肉の王様」ともいわれる高級部位です。

脂の甘い香りとジューシーな肉汁が口いっぱいに溢れる味わいは、霜降り好きにはたまりません。

高級感溢れる焼肉ギフトに、全力でオススメします。脂が多いので、脂が苦手な人や高齢者は食べるのを避けたほうがいいかもしれません。

オススメ調理法・焼肉
贈答用◎(高級部位の焼肉を贈るなら1番オススメ)
家庭用△(単価が高くなる。特別な日や贅沢な焼肉を食べるなら◎)

焼肉に必須な内臓肉を徹底解説!

ここでは、焼肉やもつ鍋に欠かせない内臓肉を紹介します。

紹介する内臓肉は以下のとおりです。

  • タン
  • ハラミ
  • サガリ
  • ハツ
  • レバー
  • マルチョウ
  • シマチョウ
  • ミノ
  • ハチノス
  • センマイ
  • ギアラ
ふみ
ふみ

ホルモン=内臓と思われがちですが、タンやハラミ、サガリといった内臓ではない部分もホルモンに分類されます。

タン

タンの特徴
歯応えの良い食感が特徴
噛めば噛むほど溢れ出す肉汁が魅力
「タン元」と言われる希少部位の味わいは別格

焼肉店でも不動の人気を誇るタン。歯応えの良い食感と、噛めば噛むほど口の中から溢れ出す肉汁が魅力。

ご飯、ビールともに止まらなくなる味わいです。

タンの中でも上質といわれるタン元(タンの根本)は一頭の牛から1キロも取れないほど希少。サクッとした食感の後に驚くほど肉汁がでます。

タンが好きなら、一度は食べておきたい部位です。

ハラミ

ハラミの特徴
・牛の横隔膜の薄い部分で背中側に当たる部位
・ザクザクとした食感と程よくサシが入っている
・ワイルドな噛みごたえとジューシーさが人気

ハラミは横隔膜(肺を動かす筋肉)薄い部分で背中側に当たる部位です。今は焼肉屋の定番メニューになっていますが、ハラミという名前が定着する前は「ソフトカルビ」として提供されていました。

ハラミ最大の特徴は、肉らしいワイルドな噛みごたえ!軽く押し返されるような弾力のある食感と、噛みしめると溢れる肉汁は食べた者を虜にします。

厚切りで味わうのが最高です。

サガリ

サガリの特徴
・横隔膜の厚い部分で肋骨側に当たる部位
・濃厚で上品な赤身のコクを味わえる

サガリはハラミとひと続きになっている部位で、お店によってはハラミとして出すところもあります。

ハラミよりもサシが少なめで暗めの小豆色。肉質は柔らかく、濃い味わいが魅力のサガリ。

味が濃い方が好きな人にオススメな部位です。

ハツ

ハツの特徴
・牛の心臓
・クセがなく、サクッとした食感

ハツは別名「ココロ」とも呼ばれている牛の心臓。クセがなくさっぱりとした味わいで、食べるとサクッと噛み切れる食感が心地よい部位。

焼きすぎずに、さっと炙ったぐらいで食べるのがオススメ!

レバー

レバーの特徴
・牛の肝臓
・鉄分独特のクセの中に甘みがある
・2012年の7月から生食が禁止されている

レバーは牛の肝臓のこと。鉄分を多く含み、独特にクセがある味わいとねっとりとした食感でファンも多い部位です。

火を通せば通すほど食感がボソボソになって、臭みが立ってしまうレバーですが、2012年7月に厚生労働省が生食を禁止してからレバ刺し食べられなくなっています。(参考:7月1日から牛のレバー(肝臓)の生食用としての販売・提供を禁止

ボソボソとした食感にならないために、軽く炙って食べるのがオススメです!

マルチョウ

マルチョウの特徴
・牛の小腸
・一頭あたり40メートルほどある
・甘みたっぷりの脂を楽しむホルモン

牛の小腸にあたるマルチョウ。関西の方では「ホソ」「ヒモ」という名前で呼ばれることもあります。

牛一頭から40メートルほど取れる上に脂がたっぷりついているため、安価でおいしく食べることができる人気のホルモン。

弾力のある歯ごたえと脂の甘みが、塩味や濃い味噌ダレと相性抜群!もつ鍋やもつ炒め、かすうどんなど、さまざまな料理に使われています。

シマチョウ

ショウチョウの特徴
・牛の大腸
・小腸よりも皮が厚く表面にぬめりがある
・クニュクニュとした食感が特徴のホルモン

シマチョウは牛の大腸にあたる部位。マルチョウに比べて皮が厚く脂が少ない、食べやすいホルモンです。

クニュクニュとした食感で口の中をただよった後に、ぷつりと噛み切れます。口の中に残り続けるのが苦手という人には、向いていません。

噛めば噛むほど脂の甘みを感じることができます。

ミノ

ミノの特徴
・牛の4つある胃袋の中の第一胃袋
・貝柱のようなコリコリとした食感が魅力

ミノは牛の4つある胃袋の中の1つ目。貝柱のようなコリコリとした食感で歯ごたえが心地よく、厚切りでも薄切りでもそれぞれの食感が楽しめます。

しかし丁寧に処理をしないと、消化器官特有のアンモニア臭が残ってしまうやっかいな部位。鮮度と処理がよいものはニオイが薄く、おいしく食べることができます。

ハチノス

ハチノスの特徴
・牛の4つある胃袋の中の第二胃袋
・柔らかいが歯ごたえのある独特の食感

ハチノスは牛の4つある胃袋の中の2つ目。名称は見た目が蜂の巣に似ているところからきています。イタリア料理では「トリッパ」といわれる定番食材。

柔らかいが歯ごたえのある食感はやみつきになる味わいです。

センマイ

センマイの特徴
・牛の4つある胃袋の中の第三胃袋
・ザクザク、コリコリした歯ごたえのある食感が魅力

センマイは牛の4つある胃袋の中の3つ目。ヒダが千枚もありそうだという理由でつけられた名前。

ザクザク、コリコリとした歯ごたえのある食感で、味はさっぱりとしているので、脂が苦手な方でも食べやすいホルモンです。

ギアラ

ギアラの特徴
・牛の4つある胃袋の中の第四胃袋
・クニュっとした食感と脂の甘みが魅力

ギアラは牛の4つある胃袋の中の4つ目。生物学的には胃袋の働きをしているのはギアラだけだといわれています。

クニュっとした歯ごたえのある食感と、噛むたびに甘い脂がしみでてくるホルモンらしい味わいが魅力の部位です。

迷ったときはこれを選べば間違いない!用途別にオススメ部位を紹介

牛肉の部位や特徴がわかっても、種類がたくさんあってどの部位を選べばいいかわからなくなりますよね。

そんな人に向けて、精肉店で働くわたしが「これを選べば間違いない!」という部位を用途別に選びました。

用途別のオススメ部位は以下のとおりです。

  • すき焼き・・肩ロース
  • しゃぶしゃぶ・・カタ
  • 焼肉・・トモサンカク
  • ステーキ・・サーロイン
  • 煮込み料理・・スネ
  • ローストビーフ・・内モモ
ふみ
ふみ

わたしが働く精肉店で、注文の多い部位を選んでいます。

すき焼きなら脂と赤身のバランスが良い肩ロースがオススメ!

すき焼きにするなら、肩ロースが1番オススメです。赤身と脂のバランスがよく、牛肉本来の香りや風味を味わうことができます。

割り下に負けない濃い旨みと、口の中でとろけて消えるような食感は、すき焼き用にピッタリ!ロースの中でも価格が安いので、コスパも良いです。

しゃぶしゃぶは牛肉の味をしっかり味わえるカタで決まり!

しゃぶしゃぶは肉の旨みが強いカタがオススメ!旨みのエキス分が豊富に含まれているカタは、薄切りでもしっかりと肉の味が残ります。

さっと出汁につけるだけのしゃぶしゃぶなら、火が通り過ぎることもないので、食感がパサパサになる心配もありません。

肉の旨みを堪能しつつ、さっぱりとしたしゃぶしゃぶを味わうことができます。

焼肉は脂の甘みと赤身のコクが感じられるトモサンカクがオススメ!

焼肉用に選ぶならトモサンカクを全力でオススメします。脂の濃厚な旨みと赤身のコクを感じるトモサンカクは、味わいのバランスが非常に良い部位です。

肉質は柔らかく、噛みしめると霜降り肉を食べているかのようなジューシーな肉汁が口の中に溢れます。希少部位で店頭に並ぶことは少ないため、見つけたらラッキーです!

ふみ
ふみ

どうしても見つからない場合は、精肉店で注文してみましょう。

ステーキはサーロインで脂の甘みと肉の旨みを堪能しましょう!

ステーキは、牛肉の王道部位サーロインをオススメします。サーロインの特徴を最大限に活かす食べ方が厚切りで切るステーキ。

一切ストレスを感じない柔らかい肉質に、噛みしめるとジュースのように溢れる肉汁が口いっぱい広がります。ステーキで、サーロインの脂の甘みと肉の旨みを余すことなく堪能しましょう!

ホロホロに煮込んでから食べるスネは絶品!

煮込み料理にはスネをオススメします。硬くてそのままでは噛み切れないスネですが、長時間煮込んでホロホロにしてから食べるスネは絶品です。

スネには多くのゼラチン質を含んでいるので、じっくり煮込むと濃厚で美味しい肉汁とともに、コラーゲンが溶け出して肉が柔らかくなります。

煮込み料理で、ホロホロのスネを味わってみてください!

ローストビーフは脂が少なく柔らかい肉質の「内モモ」

ローストビーフにするなら、牛肉の中で最も脂肪分が少ないとされている内モモがオススメ!内モモは味が淡白で肉の旨みや甘みをあまり感じません。

しかし味わいが淡白な内モモをローストビーフにすれば、肉の味がタレや味付けの邪魔をしないので、自分が好きな味付けで食べることができます。

ふみ
ふみ

店頭で売られている赤身のブロックは、内モモが使われていることが多いです。

精肉店で頼む場合は、赤身ではなく内モモで頼みましょう!

部位の名前や特徴を知って、買い物上手になりましょう!

ここまで、牛肉の部位11種類、オススメの希少部位と内臓肉まで解説してきました。

部位によってそれぞれ特徴があり、それを活かす調理をすることで一段とおいしくなります。

旨みが強い部位や脂の甘みを感じる部位は、シンプルに塩だけで牛肉本来の味を楽しむのもオススメ!

肉を買うときは、この記事を見ながら肉を選んでみてください!作る料理に合わせた牛肉を買うことができるはずです。

以下の記事では、焼肉やステーキに特化した肉に選び方、頼み方を解説しています。

【精肉店で働く肉の達人が伝授】焼肉ギフトの失敗しない選び方と頼み方を徹底解説!

【精肉店で働く肉のプロが伝授】ステーキギフトの選び方と頼み方を徹底解説!

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